デザインフロー

プロダクトデザインの進め方

シィナベルの新商品を開発中です。今回は小物だけではなくテーブルなどの家具を発売する予定です。

そこで、いい機会ですので今回はシィナベルのデザインの進め方を紹介します。あまり表には出てこないプロセスなのですが、読んでいただいた方がシィナベルに興味を持っていただけると嬉しいです。

シナベルは2人のデザイナーがデザインしています。

デザイナーの2人は、長い付き合いですので、コミュニケーションに心配はありません。むしろ、打ち合わせで空気を読みすぎてデザインが平均化していったり、初めに決めた軸がなあなあになって優柔不断でブレてしまわないように気をつけているくらいです。

二人でデザインしていて、良い点がたくさんあります。

まず、アイデア量や作業の量が単純に2倍になること。短時間に仕上げるためには、とても有効です。得意なところが違うので、多角的に補いあって進めることができます。

それに片方がモチベーションが下がってトーンダウンしても、片方がサポートをして、メンタルのバランスをとることができます。案外、1人でずっと良いテンションを保ち続けるのは、難しいものです。

なにより客観的な話し合いができることが、最も大切な点かもしれません。

デザインを進めていると、内側の深いところまで考える分、自分本位になってしまうことがあります。そのようなときに、客観的な意見は重要です。人にデザインを説明して話し合うことで、クリアーになることはたくさんあります。

逆に、2人でデザインして困ることは、報酬が半分になることです。これは今後も、最重要課題です(笑)。

プロジェクトが決まったら、まずイメージします。

プロジェクトを始めようとしたとき、まず頭の中でいろいろと有象無象のイメージが浮かんできます。考えるというほどではない、湧き上がる自由な発想です。それは品物そのものの形かも知れませんし、進め方自体のときもあります。

例えば、今回のような展示会へ向けての新商品開発というテーマがあったら、こんなのが欲しいとか、ユーザーはこういうのが求めているなど。スタートは漠然としたイメージです。

そういったイメージは時間を決めて浮かべるのではなく、なんとなくずっと考えています。それこそ、通勤や移動時、ふと空いた時間でも、頭の隅に常にある感じです。

余談ですが、だからデザインを時間で見積もるのはとても難しいのです。ずっとやっていますから。

テーマや方向性を言葉で話し合います。

はじめは軽く雑談を交えて話し合いながら、方向性を決めていきます。まずは言葉だけである程度のコンセンサス(合意)を作っていきます。

ここで大事なのは前向きな姿勢でイメージを膨らませること。

メンタルはとても大事で、後ろ向きや否定的なイメージに縛られちゃうと仕事がつまらないものになってしまうし、やる気が出ません。モチベーションを上げるためにも、肯定的で成功するイメージをを念頭において話し合っていきます。

スケッチを描いて検討します。

ある程度話したら、今度は時間を決めてスケッチします。スケッチはアイテムごとに1人が担当します。

スケッチは、いわゆるサムネイル(親指の爪)スケッチみたいなもので、簡単に特徴がわかるような小さなラフ・スケッチです。大きさは10センチ四方ぐらい。メモや付箋に描くと整理するときに楽ですね。ポストイットがおすすめです。

スケッチに一区切りついたら壁に貼って、話し合います。

クライアントにスケッチを見せるときは、それなりに綺麗に描かないといけないのですが、自分たちだけだと簡単なスケッチで雰囲気はつかめるので、サムネイルで検討してしまいます。

単純に綺麗に描く時間がもったいないし、他に検討したいことが山ほどありますので、なるべく絵をきれいに描くことに時間をかけないようにしています。

昔は、途中のラフなスケッチを見せるのが恥ずかしかったり、アイデアを隠して後から素晴らしいものを出して驚かせようとかしたりしましたが、今ではなるべく早い段階で見せ合うのがスムーズに仕事を運ぶコツじゃないかと思っています。

いきなり1人で100点まで仕上げて検討するのではなくて、60点ぐらいで検討し始めて、最後に120点までもっていくほうが効率的ですし、クオリティも上がります。

このスケッチなどの検討でも、仕事の流れの雰囲気を大事にしています。難しい部分やアイデアに詰まることは多々ありますが、ここでもあまり否定的に考えないようにしています。

否定的になると、せっかく出てきたアイデアの芽が摘まれてしまうことがあります。特に2人でやっているので、1つの鉢の芽にお互いで水を与えつつ育てていくようなイメージでしょうか。

もちろん、終盤でアイデアをブラッシュアップして選択して絞っていく時には厳しい選択が必要ですが、まずはアイデアを重ねていく感じです。

この、描いては検討、描いては検討というルーチンを何度も繰り返します。

こんな感じで、デザインを進めていきます。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

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